株式投資はかなり難しいイメージを持っている人も多いですが「株式投資をよく知らなくても株主優待だけ受けている」という人はたくさんいます。
お得感のある株主優待ですが、あくまでも投資ですので、リスクもしっかり把握したうえで株主優待を狙うべきです。
「株主優待ってめっちゃお得だね!私も買お!」
と安易な気持ちで購入してしまって、かえって損することもあります。
そこで今回は株主優待で失敗しないために考えるべき5つのリスクについてまとめてみました。
しっかりリスクを抑えて、納得したうえで株主優待を狙って投資するようにしましょう。
目次
お得感のある株主優待で失敗するケースは存在する
株主優待は確かにお得感があります。
「株価のチャートの動きを分析して、売買することで利益を得る」ような難しいことはしませんし、配当金と違って目に見えて物が送られてくるのでお得に感じるかもしれません。
しかし株主優待はあくまでおまけであり、リスクのある投資です。
株主優待で何をもらえるかだけを考えるのではなく、どういうリスクがあって、そのリスクに見合う株主優待をもらえるのかをしっかり踏まえた方がいいですね。
もちろん何も考えずに、株主優待を狙って株を買って、必ず損するわけではありません。適当に株を買って得をする人もいます。
ただ今後も長く投資を続けていくのであれば、リスクを知っておくだけで、今後損する可能性をいくらか下がるのは間違いないです。
株主優待に興味がある人はぜひ参考にしてみてください。
株主優待で失敗しないように考えておきたい4つのリスク
- 株主優待券を売却しても金額相当の現金は返ってこない
- 株主優待は変更されることがある
- 買ってすぐに売ろうと考えていると失敗しやすい
- 経営状況を見ていないと倒産リスクに気づけない
株主優待を始めるのであれば、この5つのリスクは抑えておきたいところです。
難しい投資用語などは特にありません。
普段から株式投資に触れていない人でもわかりやすく解説します。
株主優待券を売却しても金額相当の現金は返ってこない
株主優待の中には商品券やクオカードなどの金券をもらえることも多いです。
金券ですので、現金と変わらないように見えて、さももらった金券分の金額が利益になると感じている人もいます。
ただもらった金券を現金に戻す場合は、金額相当の現金となって両替することはできません。
金券3,000円を現金3,000円に換えることはほぼ無理で、よくて2,500円といったところでしょう。
また金券の種類によってはもっと下がることもありますので、現金に換えて利益にしようと考えている方は、株主優待でもらえる金券がどれくらいの還元率で現金化できるのも調べておくのがおすすめです。
特に利用制限が厳しい株主優待券は還元率が低くなる傾向にありますので、1つの指標になります。
株主優待は変更されることがある
株主優待の内容は会社側が変更できます。
投資時は魅力的に見えた株主優待でも、何らかの都合で内容が変更して魅力のない株主優待になってしまうことも...
ただ株主優待の質を落とすと、株主からの反感を買いますので質が落ちることはめったにないといっても良いでしょう。
逆に株主優待の質を落としてしまうと「経営が危ないのか?」と投資家の懸念材料になり、株価が落ちる可能性もあります。
しかし一般的には同じ質の株主優待変更でも、人によって価値観は違いますので、自分にとって悪い変更になってしまう可能性があるということは覚えておきましょう。
3,000円分の家電オンリー商品券がいいのか、2,500円の全品大賞商品券がいいのかは人によって価値が変わりますので。
買ってすぐに売ろうと考えていると失敗しやすい
株主優待をもらうためには、銘柄によって決まっている権利確定日までに一定数の株を持っておく必要があります。
つまり権利確定日が8月末の株主優待であれば
- 8月中旬に100株購入(8月末に株を保持)
- 8月末に保持して権利獲得
- 9月上旬に売る
この手順を踏むだけで株主優待を受け取れます。
そのため「権利確定までに買って株主優待をもらったらすぐに売ればいいや」と考える人は多いです。
ただあなたと同じように考えている人も多いことを忘れてはいけません。
実際に権利確定日が近づいてくると、株価が上がる傾向にありますし、権利確定日が過ぎたとたんに株価が一気に落ちていくケースも珍しくないです。
買ってすぐに売ろうとすると、高値で買い、安値で売ってしまいやすくなります。
株式投資に慣れていない方は権利確定日の直前に買うのではなく、権利確定日の数か月前や半年前の安い時期に株を購入したほうが無難です。
※もちろん数か月前や半年前が必ず安いというわけではありませんが。
長い期間のチャートを見て、できるだけ安い値段で買えそうな時期を狙って買っておき、高値掴みをしないようにしましょう。
経営状況を見ていないと倒産リスクに気づけない
株主優待がいくら魅力的でもその会社が倒産してしまえば、あなたの買った株はゴミクズになります。
買った分だけ損失になりますので、株主優待どころではありません。
会社が簡単につぶれるわけがないと思う人もいるかもしれませんが、誰もが知っている名の知れた大企業でも倒産して株がゴミになる可能性はあります。
毎年どこかしらの会社が倒産して証券取引所から姿を消しています。
経営が危なそうな会社や将来の展望が見えない業種だと感じるのであれば、投資しない方が良いでしょう。
初心者の方が四季報などを見て会社を分析するのは敷居が高く感じるかもしれませんが、プロの投資家だって最初は難しく感じています。
初心者でも自分で納得できる銘柄へ投資するのと、よく分からずに買った銘柄へ投資するのとでは、違いは大きいです。
損したときの納得感に違いがあるのはもちろん、投資に対して考える機会を1つ作ったことが、今後の投資人生に影響します。
「株主優待が良いから投資する」ではなく「将来性がありそうだから投資する、おまけで株主優待もあって得したな」ぐらいに考えて銘柄を選んだ方が良いでしょう。
株主優待は最小単位で複数の銘柄に分散投資するべき
株主優待によっては持っている株数が多ければ大きいほど、もらえる株主優待の質や数が上がります。
ただ今回紹介した株主優待の4つのリスクを踏まえると、1つの銘柄に絞って投資するのはリスクが高いです。
株主優待を狙って投資するのであれば、最小単位分だけ株を買って、余った資金は他に似たような株主優待をもらえるところに回した方が良いでしょう。
分散投資しておけば、投資したところの1社が万が一ダメになっても、2社や3社に分散しておけば、単純に損失が2分の1,3分の1に抑えられます。
実際に株主優待の内容を見てみると気づくかもしれませんが、最小単位で買った方がお得に株主優待をもらえるケースも多いです。
参考例
100株で1,500円の株主優待券
300株で3,000円の株主優待券
⇒300株買うと投資金は100株の3倍なのにもらえる優待券は2倍。
株主優待は複数の銘柄に分散投資しておくことで、リスク低減や高い利回りを期待できますので、資金と相談しながらできるだけ分散投資できるようにしておきましょう。
ちなみに低予算で投資できるおすすめの株主優待については別の記事でも詳しくまとめていますので、参考にしてみてください。
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【5万円あればOK】安い資金で投資できるおすすめの株主優待6選!
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株主優待に惑わされずにしっかりリターンを考えた投資をしよう
最後に株主優待で投資する際に気をつけておいた方がいいのか「リターンがどれくらいあるのかをしっかり考える」ことです。
「株主優待もらえるし、それだけでお得感あるからまぁ買ってるよ」
という方もいるのですが、それは投資に対して目を背けているだけとも言えます。
投資をするからにはリターンを考えて、戦略的に資産運用していくべきです。
株主優待には様々な種類がありますし、銘柄によりますが株主優待だけでなく配当金もあります。
配当利回りと株主優待に夜実質利回りを足したものができるだけ高い銘柄を買うのがポイントです。
株主優待には魅力的なものが多いですので、失敗しないようにしっかりリスクと利回りを天秤にかけて納得できる銘柄に投資をしていきましょう。