2018年11月1日にmaneoが延滞発生している案件があることを発表しました。
ソーシャルレンディング業界の中でも第1位の規模を誇るmaneoですが、どれだけ大手のソーシャルレンディング事業者でも延滞が発生することはあります。
今回はmaneoで償還金と分配金の返済に遅延が遅れている事実を受けて、リスクを最小限に抑えるためにソーシャルレンディングでどのように投資をしていけばいいのか思ったことをまとめてみました。
maneoの公式サイトはこちら
目次
2018年11月にmaneoが複数案件で延滞が起きたことを発表
maneoは2018年11月1日に以下の案件で遅延が発生していることを公開しました。
私個人の意見ですが、今後はmaneoに対して積極的に投資することはないかなという印象です。
まずはどういう遅延案件が発生しているのかについて説明します。
- 事業性資金支援ローンファンド850号
- 事業性資金支援ローンファンド851号
- 【不動産担保付き】1,000億円突破記念ローンファンド【第2弾】1号~78号、80号、82号、84号~106号
- 【不動産担保付き】1,100億円突破記念ローンファンド【第1弾】1号~15号
- 【不動産担保付き】1,100億円突破記念ローンファンド【第2弾】1号~9号
- 【不動産担保付き】1,100億円突破記念ローンファンド【第3弾】1号~9号
- 【不動産担保付き】1,100億円突破記念ローンファンド【第4弾】1号~25号
- ガイアファンディングセレクトファンド164号
- ガイアファンディングセレクトファンド165号
- ガイアファンディングセレクトファンド166号
- ガイアファンディングセレクトファンド167号
- ガイアファンディングセレクトファンド168号
どの案件も回収に努めているものの、見込みは立っていないとのことです。
多くの案件が延滞しているようにも見えますが、実質3つの融資先が延滞してしまっています。
- 事業性資金支援ローンファンド
⇒事業者EO社 - 不動産担保付きの記念ローンファンド
⇒不動産事業者CU社 - ガイアファンディングセレクトファンド
⇒米国向け不動産投資を行う事業者AU
それぞれどういう状況なのか、元本割れは起きないのかなどの情報もざっくりとですが発表されていたため、まとめてみました。
事業性資金支援ローンファンドの「事業者EO社」が延滞している件
2018年10月上旬、事業者EO社の代理人弁護士から、債権者であるmaneo社を含む取引先金融機関に対して返済猶予の申し入れがありました。
申し入れに対し、支払いを求めるよう折衝してまいりましたが、10月29日時点での支払いがございませんでした。
以降も代理人弁護士との連絡は続けておりますが、本日時点で入金がございません。
また、締結済みの売買契約に基づく引き渡し予定について、maneo社から、代理人弁護士にも確認を求めましたが、明確な回答が得られませんでした。(maneo公式より)
わざと詳しいことを書いていないのかもしれませんが、この状況だけ見ると「こちらから連絡はしてるけど、ぜんぜん応えてくれないんです」とmaneoが嘆いている状態です。
そもそも遅延してるにもかかわらず、相手会社とうまく連絡が取れていない、というのが問題な気もします。
しっかり連絡を取ってくれない事業者EO社が悪いとも言えるかもしれませんが、私たち投資家からすると「そういう事業者に資金を融資することにGOサインを出したmaneoが問題」としか思えません。
まだ発表したばかりなので、これから新しい情報が入ってくるのを待つしかないと言えそうです。
不動産担保付きの記念ローンファンドの「不動産事業者CU社」が延滞している件
2018年5月25日、不動産事業者CU社は、事業者C社に対し、約定利息の支払いを行いませんでしたが、事業者C社は、担保不動産の任意売却や担保権の実行による回収をもってmaneo社に対する債務の全額を返済可能と判断しました。
そこで、事業者C社は、maneo社から事業者C社への融資はノンリコースローンであるものの、5月28日、6月28日、7月30日、8月28日、9月28日分のmaneo社への利息の支払いを継続しつつ、担保不動産の任意売却を試みました。
しかしながら、事業者C社は、任意売却に向けた活動の過程において、すべての担保不動産の任意売却による売却代金をもってしてもmaneo社への元利金全額を支払うことが困難であるとの認識に至り、maneo社から事業者C社への融資はノンリコースローンであることから、10月29日を期日とするmaneo社への利息の支払いを履行しない意向をmaneo社に対して示しました。
事業者C社及びmaneo社は、引き続き、担保不動産の競売・任意売却による回収に尽力してまいります。(maneo公式より)
要するに「事業者CU社はお金を返してくれなかったので、差し押さえてた担保を使って、投資金の回収を行いましたが、担保だけじゃまかなえきれませんでした」といった内容です。
確実に利息分を支払えない状況のように見えますので、こちらのファンドは「投資金が全部返ってくるか」「元本割れして一部が返ってくるか」のどちらかになる見込みが高いと言えます。
ガイアファンディングセレクトファンドの「米国向け不動産投資を行う事業者AU」が延滞している件
本案件につきましては、債務者である事業者AU社より2018年9月28日まで遅滞なく返済を受けてまいりました。
最終返済日である10月29日にも、利息の支払いはございましたが、元本の返済がなされず、延滞となりました。
なお、10月29日に入金となりました利息につきましては、11月22日に分配予定です。
対象ローンについて返済期日が到来いたしましたが、貸付先の事業者AU社より、最終資金需要者(米国の不動産事業者)の返済原資となる開発案件の売却が、期日までに成就できない旨の報告がありました。(maneo公式より)
こちらに関しては前者2つに比べると、元本割れの心配はほとんどありません。
期日内に返すことは難しいようですが、返済できる見込みはあるとのことなので、しっかり予定と同じくらいの利回りで、結果的にお金は返ってくる見込みが高いです。
maneoは以前にも遅延が発生したファンドがあったものの、しっかり回収した実績もありますので、こちらの案件に関してはあまり心配しなくてよさそうです。
遅延があったことも問題だが、改善できる問題なのかが心配
ソーシャルレンディングは確かにリスクの低い投資ですが、全くリスクがないわけではありません。
投資なのでリスクがいくらかあることを踏まえたうえで投資しなければいけないです。
ただ今回、maneoが遅延した案件について発表したのを聞いて「今後改善できる問題なのか」が気になりました。
事業者EO社と事業者CU社が返済することができなかったということですが、それはmaneoが融資先の企業を見る目が甘いと言い換えられます。
ソーシャルレンディングは私たち投資家が投資対象について深く知ることはできず「maneoが融資するに値する企業だと認めた」ものを信じてお金を投入する投資です。
お金の返済をしないどころか、うまく連絡も取れない事業者を融資先に選ぶmaneo運営の見る目の甘さが懸念材料として心に残っています。
「今後は審査を厳しくします」だとかを言ってくれるのであれば、まだ安心できますが、今回そのような報告はありません。
ただ「遅延が発生しました。元本は返ってくるか分かりません」と言っているだけなので「今後も同じ過ちを繰り返すんじゃないか?」と私は心配しています。
他にもソーシャルレンディング事業者はたくさんありますし、maneoに無理して投資する必要はありません。
いったん今後のmaneoの様子を見ながら投資対象として考えるかどうかを決めていく予定です。